サステナビリティ、金融、そして日本の未来:FDSF Conference 2023 | Brunswick

サステナビリティ、金融、そして日本の未来:FDSF Conference 2023

2023年7月21日(金)、ブランズウィック・グループは、アーキタイプ・ベンチャーズ、一般社団法人 科学と金融による未来創造イニシアティブ(FDSF:Future Design Initiative by Science and Finance)と共に「FDSF Global Conference 2023」を開催しました。

2023年7月21日(金)、ブランズウィック・グループは、アーキタイプ・ベンチャーズ、一般社団法人 科学と金融による未来創造イニシアティブ(FDSF:Future Design Initiative by Science and Finance)と共に「FDSF Global Conference 2023」を開催しました。本会議は、金融庁、環境省、内閣府、経産省、JETROからの後援を得ながら、多様なステークホルダーを招き、サステナビリティ課題の解決に向けた金融、科学技術、事業のあり方について議論しました。登壇者は、トヨタ自動車、モルガン・スタンレー、ブルームバーグ、みずほ銀行、大和アセットマネジメント、旭化成などの大企業や金融機関、政府機関、ベンチャー企業、大学まで含み、各セッションで活発な意見交換が行われました。

本会議の要点

1. 日本におけるサステナビリティはまだ未開拓の分野です

ブランズウィック・グループパートナー金田テレザは、Focusing Capital on the Long Termマネージング・ディレクター  マシュー・レザーマン氏、トヨタ自動車チーフ・サステナビリティ・オフィサー 大塚由美氏、そしてモルガン・スタンレーMUFGシニア・アドバイザー ロバート・フェルドマン博士登壇のパネルディスカッションを担当し、サステナビリティにおける日本の強みと弱みについて議論しました。

  • 登壇者は、勉強会やOB会など日本の独特なネットワークを、サステナビリティ課題解決に向けた情報交換や対人関係構築を促す契機として称賛しました。日本発の優れている技術も評価し、環境問題解決に向けて活用すべきと語りました。
  • しかし、日本社会の多くの場面に見られる意思決定の遅さや、個人が多様な人と交流を持たず、自身と同じ境遇の者とのみ関わる傾向を批判しました。
  • 最後に、議論とイノベーションの重要性を喚起し、サステナブルな社会を実現するために、日本の企業は環境に対する危機感を持ち続け、様々なステークホルダーとのコミュニケーションを積極的に行うことが不可欠であるとまとめました。

 

2. 次世代は持続可能な社会の実現に貢献したいが、現在の日本教育ではサステナビリティについて学ぶ機会が限られています。

東京大学、エジンバラ大学、お茶の水女子大学、一橋大学の大学生、そして九州大学のキム・シューマッハ准教授が、次世代にとってサステナビリティのイメージやあるべき姿について意見を交わしました。

  • 学生らは、日本の高等教育ではディスカッションによる学習が不足していると指摘し、サステナビリティなどの社会問題に対する理解や意識を育むために大学の内外で学べる機会を増やす必要があると訴えました。
  • 企業は、複雑かつ変化し続けている世界で活躍できる人材を育成するために、日本の次世代にサステナビリティについて学ぶ機会を提供し、彼らとコミュニケーションを図り、つながりを築くよう活動すべきとも語りました。

 

3. 民間企業や日本社会全体でサステナビリティを推進するためには、政府のイニシアチブが必要です。

ブランズウィック・グループ シニア・コンサルタント佐藤陽一郎は、環境省 総合環境政策統括官 鑓水洋氏、経済産業省 産業技術環境 局長 畠山陽二郎氏、前 内閣府 知的財産戦略推進事務局長田中茂明氏、そしてブランズウィック・グループ シニア・アドバイザー、シブサワ・アンド・カンパニー代表取締役、コモンズ・投信株式会社代表取締役会長 渋澤健とのパネルディスカッションをモデレートしました。

  • 登壇者らは、将来の人的資本への投資の重要性を語り、社会と企業のサステナビリティ取り組みが一致する必要があるとも強調しました。具体的に、社会は資産運用会社やアセットオーナーがインベストメントチェーンにおいて持続可能性の問題を支援し、積極的に取り組むよう圧力をかけるべきなどと論じました。
  • また、日本の企業は、規制などを含む公的分野の資源を事業に活用し、持続可能なビジネスモデルを実現すべきと締めました。

 

まとめ

日本には、サステナブル・ファイナンスや他のサステナビリティ関連の取り組みを発展させる基盤と将来性があります。FDSF Global Conference 2023では、サステナビリティが単なるマーケティングの仕掛けではなく、むしろステークホルダーの思いや将来的な成長の期待を背負った、実行可能な価値創造の機会であることが強調されました。

 

To continue the conversation

Ken Shibusawa, Senior Advisor, Tokyo
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Tereza Kaneta, Partner, Tokyo
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Yoichiro Sato, Senior Consultant, Tokyo
[email protected]

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